海外男街通信
今回はシドニーからお届けします!!
シドニーの華やかだけではない
LGBTQIパレード
Sydney Gay and Lesbian Mardi Gras 今年は2月17日から3月5日にかけてシドニーで行われた世界有数のLGBTQIの祭典で来年40周年を迎えます。パレードは3月4日の夜7時から行われ、約25万人の観客が集まったそうです(※1)。
パレードが開催される3月4日のシドニー中心部のホテルは昨年11月時点で予約が取りにくい状況で、パレードコースから徒歩25分のところで予約を入れていました。2月に運よくマルディグラパレードの出発地そばのMuseum駅から歩いて3分のところで予約がとれました。また、2月末になってマルディグラのwebsiteでパレードの有料観覧席に気づいたものの売り切れでした。
前日、シドニーに着き空港から電車で15分。Museum駅を地上に出るとパレードの交通規制予告の看板がありました。コースから外れるホテルの辺りにも予告看板があり、周辺道路までパレードで通行止めになるのかと驚きました。
当日、出発地点から400m程進んだOxford Street南側で見ました。このあたり6車線の道路の歩道寄り1車線ずつと歩道で観覧ができ、柵で仕切られた内側4車線はパレードコースでした。私が着いた18時過ぎには歩行者の道路横断もできなくなっていました。
19時前にレザーウェアを着たライダーによるバイクの隊列がスタート地点に向け通り過ぎ、もうすぐ始まると期待が高まります。しばらくして、エンジン音を響かせた“Dykes on Bikes, Sydney”を先頭にいくつかのバイクの隊列が過ぎてパレードの始まりです。最初は“First Nations”(オーストラリア先住民)のフロートです。
私が観覧したあたりでは、音楽が充実した隊列には観客が音にあわせて手をあげてふり、プラカードぐらいの隊列には沿道が盛り上げるかのように“Yes!!”の声が続きました。ただ、企業や公的団体の隊列に控えめで当事者やNGOに対して盛大にという感じです。アルコールを飲みながら観覧というのは見かけず、パレードに集中している感じです。もっとも、観覧したあたりは、アルコールフリーゾーンで酒類を持ち歩くだけでも見えないように包むことになっています。
警察や消防、レスキュー、軍が制服で行進するのも印象に残りました。
パレードは途切れることなく、終了予定の22時を過ぎた22時15分ごろ黄色Tシャツのボランティアが横一列に通り過ぎ終わりました。
翌日、夜8時半から公共放送の一つSBSテレビでパレードの特集番組(2時間も)が放送されました。有料観覧席あたりの映像は炎を上げたり広がって踊ったりと華やいだ感じが強く、次に来るときはそのあたりで見たいなと眺めていたのですが、いくつかの当事者団体では紹介の他に参加者のエピソードがありました。“Country Crowd”という団体では地方で牧畜を営む女性。恋人が男性と結婚してからは一人で暮らしてきたという。また、CMの前後で“QLife”という電話相談を受ける団体の案内がありました。
パレードで、プラカードや横断幕等のメッセージに“LGBT”の語をあまり見ず、多くは“LGBTQI”でした。
また“diversity”や“celebrating diversity”(多様性を祝う)は当事者団体であまり見かけず、“equality”(平等)はよく見かけました。
世の中は多様なのだから平等への取り組みを進めるのが大事ということでしょうか。そして、平等への取り組みはLGBTQIの中だけではない。連帯をパレードの先頭の方にオーストラリア先住民のフロートがあることから感じました。
(※1)観客数は主催のweb siteを参照した。
文・写真◉泰平
滋賀県大津市在住の会社員。昨年度、有給休暇とは別に連続7日間の休暇を与えられました。以前からロンドンやシドニーのパレードを見たいと思っていましたので、シドニーでマルディグラパレードを見ようとオーストラリアに初めて行きました。3月3日朝、シドニー空港に着き何か食べようと国際線ターミナルを歩いていると、おばちゃん二人で持ち帰りのピザやパンを売る店に空港で働く人が並んでいるのを見かけました。きっとこの店はおいしいだろうと買った野菜とチーズのピザが思った以上においしく、よい旅の始まりになりました。
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