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南界堂通信〈冬号|第25号〉

追っかけエイズ 番外編

A型肝炎に要注意!予防にはワクチンを!

いま大阪のゲイ男性の間でA型肝炎が流行しています。
A型肝炎は肝臓の病気のひとつで、A型肝炎ウイルスが口から入ることで感染(経口感染)します。
今回は、A型肝炎になるとどんな症状が出るのか、
またどうしたら予防できるかを、ご紹介したいと思います。

A型肝炎になると肝臓に炎症が起きます。高熱、腹痛、食欲不振、ひどいだるさ(倦怠感)が起きたり、体が黄色くなったり(黄疸)、尿の色が濃くなったり、便が白くなったりします。A型肝炎に感染してから1カ月前後(2〜7週間)経ったころに、風邪のような症状で始まることが多いです。症状が重い場合には1カ月ほどの入院を要し、その間は職場や学校に行くことができません。A型肝炎には特効薬がなく、じっと横になり良くなるのを待つ「安静」が一番の治療だからです。元気に回復する場合がほとんどですが、中には重症になり、命を落とす方もあります。

A型肝炎は性感染症のひとつで、便にあるA型肝炎ウイルスが、口から入ることで感染します。過去にはオランダでのユーロプライド後に、EU15か国で大流行したことがありました。オーラルセックス(ケツナメ、フェラなど)、シャワ浣の器具の共有、セックスの後に手を洗わずに食事した場合、などに感染します。セックス、トイレ、食事の前後に、しっかりと石鹸と流水で洗うことをお勧めします。症状が出る前、回復した後も便からウイルスが排出されているため、自覚症状がなくとも感染させることがあります。日本では例年100〜300例が報告されていますが、今年は九月の時点ですでに700例を超えました。しばらくは流行が続くことが予想されます。一方、A型肝炎は食べ物や飲み水なども感染のきっかけになります。東南アジアやアフリカの一部のA型肝炎流行国への旅行中に生水や氷を避けるのはもちろんですが、大規模なプライド系イベントの開催に合わせてA型肝炎が流行するという事例も実際に報告されています。予防策を考えた上で参加する事をオススメします。

では、A型肝炎にかからないためにはどうしたらよいのでしょう?いちばんのおススメは予防接種(ワクチン)です。約半年間かけて3回のA型肝炎ワクチンを打つことで、5年以上の予防効果があります。保険適応外のため1回5,000〜10,000円のお金はかかりますが、長期間の入院や、命の危険を避けるために、とても有効です。関西にも、ワクチンを打てるクリニックがたくさんありますので、お近くの病院を探してみてください。ワクチンを打って、ぜひA型肝炎の心配のない生活や旅行を楽しみましょう!

A型肝炎ワクチンを打てる医療機関リスト
  • 厚生労働省検疫所FORTH 厚生労働省検疫所FORTH
  • 日本渡航医学会トラベルクリニックリスト 日本渡航医学会トラベルクリニックリスト
(独)国立病院機構大阪医療センター
来住 知美

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