時事ネタWATCH ─ 中高年MSMと暮らし ─
「政治色の無い、一般LGBTも楽しめるパレード」って?
LGBTのパレードといえば、札幌、東京、大阪等での開催でしたが、地方でも開催の動きが広まっています。8月、香川県で「丸亀レインボーパレード」が開かれました(四国初)。
そんな中、波紋を呼んだのが、9月16日に開かれた『仙台プライドジャパン』です。
仙台初のこの企画、主催者が、「LGBT は生産性がない」発言の杉田水脈議員のパーティに出た謎の一般社団法人「日本LGBT機構」代表のゲイバー経営者ということから、全国から?の目が向けられました。
そこで、7月末、地元の活動家・小浜耕治さんが主催者にインタビュー(※ 第1弾・第2弾)して、企画の趣旨を尋ねました。公式ツイッターの「政治色の無い、一般LGBTも楽しめるパレード」のフレーズについて、「政治色の無い」って?「一般LGBT」って?との疑問に対し、主催者は、「活動家の方、及びそのコミュニティーの方々と比して、その様な活動をしていない、興味のない、属してない圧倒的大多数のLGBTを一般と表現させて頂きました。」と答えましたが、小浜さんからの「私には、一般・社会的活動と二分してしまうのにはたいへん抵抗があります。」という問いかけに対し、「分断してしまうと感じられる表現になってしまったのは、至らなかったと思います。本意ではありません。」と答え、その後、公式ツイッターのフレーズは「全LGBTが心から楽しめる党派性の無いLGBTプライドパレード!」と変わりました。
小浜さんも協力して無事開かれるかと思われた矢先、新たなトラブルが…9月14日、毎日新聞が、仙台プライドジャパンを「東北初のLGBTパレード」と報道。16日、NHKニュースも同様の報道をしました。東北では既に青森や岩手でパレードは行われており明らかな誤報で、青森のパレード関係者他から「私たちの営みがなかったことにされた」「歴史の偽造だ! 」と怒りの声が続出。主催者側は「広告代理店が東北初と発信したのが事の発端」と釈明。
パレードの開催後も、公式ツイッターは、「世の中の支持を得られてない異常原理主義ファシストと評されている方々は面倒なのでブロックしました。」「多様性を認めない原理主義ファシストとそれに属する方々の発狂」といった攻撃的なツイートを発信し(9月21日)、波紋を広げました。
事ここに至って、小浜さんも、「『仙台プライドジャパン』に対する小浜の責任」、「『仙台プライドジャパン』と小浜の関わりについての経過説明」を公表し、「主催者でありながら、その公式のアカウントで口汚く一部の参加者を非難しています。イベントに協力してきたすべての人に対する背信行為です。決して許されるものではないと考えます。」「たいへん憤っていると同時に、そんなイベントに協力した私もまた、みなさんに謝罪しなければなりません。」と訣別の姿勢を明確にしました。
小浜さん達は、来年は新たなパレードを仙台で開きたいと述べています。来年はどうなるのか…目が離せません。
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パレードの立ち位置が問われたのは、何も仙台だけではありません。
新宿二丁目で開催される日本最大の女性限定クラブイベントGOLD FINGERが「トランスジェンダーお断り」のポリシーを表明したという事件、このイベント主催者が例年東京のパレードの先頭を歩いていたことから、6月7日には、遠藤まめたさん達が、「東京レインボープライドに対する公開要望書」を提出し、「東京レインボープライドにおいて、トランスジェンダーを排除する姿勢を示した人物を先頭で歩かせないで下さい」「今回の排除事件について、当該イベント関係者を重用してきた組織としてコメントを発表して下さい」と求めました。
これに対して、東京レインボープライドは、「性別や性自認、性的指向等を理由とするいかなる種類の差別も容認するものではありません。貴団体が指摘するトランスジェンダーの女性への差別や偏見の問題は、LGBTQ+コミュニティ全体、ひいては、社会全体で考えていくべき大きな問題だと考えています。」としつつも、「個別のイベント参加者についてのコメント、及び、弊団体外で起きた出来事についてのコメントは、差し控えさせていただきます」と回答しています(6月10日)。
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