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南界堂通信〈春号|第30号〉

海外男街通信

Colombia

コロンビア
コロンビアの留学生サンティアゴ君
プライドパレードに
参加した時のもの
コロンビアの留学生サンティアゴ君
サンティアゴ君のイラスト
「絵を描く事が好きです!」というサンティアゴ君。実際に見せてもらうとビックリ!お絵かき程度のレベルではなくアーテスティックなペン画でした!(左の絵)distaにも飾っているので興味のある方は是非distaまで!
コロンビア

南界堂通信の読者の皆さん、コンバンワ!コロンビアの留学生サンティアゴと申します。大阪大学で日本語と日本文化を学んでいます。23歳で、出身は首都のボゴタです。コロンビアの大学で副専攻として日本語を学び、日本に滞在するのは2回目。以前名古屋に1年間滞在していました。

コロンビアは人口4900万人で、スペイン語圏ではメキシコに次いで人口の多い国です。日本と違って若い人が多く、国民の平均年齢は31歳。国民の8割はカトリック教徒ということになっていますが、若い人のあいだでは宗教離れが進行しています。

14歳の頃、自分がゲイではないかと悩み、心を閉ざすようになりました。心配した母からカウンセラーに行くよう勧められ、カウンセリングを受けたら、こう言われました「君には何の問題もない。ここに来なきゃいけないのは君の親のほうだよ」。私は母にカミングアウトし、母は涙を流しましたが、理解しようとしてくれました。

15歳になると化粧をしたり、フェミニンな服を着たりもしました。当時すでにボゴタでプライドパレードが開催されていて、自己表現の機会には事欠きませんでした。大学に入ってからは舞台芸術を専攻し、ゲイをテーマにした舞台作品をつくりました。まずゲイの人たちを集めて経験を語ってもらう。その記録と自分自身の経験とを混ぜ合わせて脚本を書く。演出もやりました。両親も見に来てくれました。両親はテーマが何かも知らないままに私の叔母たちを招待していたので、結果的に親戚中にカミングアウトすることになりました(笑)。

私がこうした表現活動ができる背景には、性的マイノリティの解放運動がコロンビア社会で実を結んできたことがあります。運動は70年代に始まり、80年に同性間のセックスが合法化されています。運動は戦闘的で、圧力団体として政治に働きかけてきました。ラテンの文化にはこういった戦闘性があると思います。2007年には同性パートナーの権利を認める判例を憲法裁判所が出しました。その後も運動は続き、2016年には憲法裁判所が同性婚を認める判例を出しました。コロンビアはアルゼンチン、ウルグアイ、ブラジルに続いて南米大陸で4番目に同性婚を認める国となりました。

今のボゴタ市長はレズビアンを公言する女性ですし、パートナーの女性は国会議員です。彼女以外にもカミングアウトしている国会議員が複数います。プライドパレードも多くの大都市で開催されていますし、ボゴタでは大きくなりすぎて北部と南部に分かれ、異なる日程でやるようになりました。3年前のパレードの折、トランスジェンダーのグループのフロートをめぐってもめ事があり、以来トランス女性は独自のパレードを行うようになりました。これもラテン的戦闘性のあらわれでしょうか。私は両方のパレードに参加しているんです。

人口750万のボゴタにはチャピネーロ街というゲイタウンがあって、小さなバーが多いのですが、“Theat-ron”という巨大なクラブが飛び抜けて有名です。ラテンアメリカ最大のゲイクラブらしい。そんなコロンビアからみると、日本のLGBT運動はおとなしい印象があります。パレードはありますが、政治的な運動が活発とはいえないような......でも日本には日本の歴史や文化があるのでしょう。日本で私はLGBTコミュニティがどう生成されてきたかを研究していて、distaやそれ以外のいろんな団体に顔を出しています。研究がまとまればdistaでも発表したいと思っています。

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