community center dista

ニュースペーパーNEWSPAPER

南界堂通信〈秋号|第32号〉

時事ネタWATCH─中高年MSMと暮らし─

新型コロナ…第二波(?)の中で

前回も取り上げた新型コロナウイルス感染症の拡大、この記事を書いているのは8月ですが、夏場でも感染の拡大が続き、「第二波」との声も。

ただ、先の「第一波」とは違うのは、感染が増えているのは主に若年層で、無症候や軽症が多いということ。重症化しやすい高齢者への感染に注意しつつも、新型コロナの実像が次第に明らかになってきているように思います。

前回も触れた「クラスター」については、その後市中感染が増えていく中で、クラスターの追跡の限界も言われ始めました。ちなみに、クラスターの研究者である西浦博・北大教授のネット記事での「一般の人」には感染が広がっていないとして、「(感染経路は)港区の繁華街などに集積した感染者ばかりです。性的に男性同士の接触がある人も多い」との発言は批判を呼びました(西浦氏はTwitterで発言を謝罪)。

少し遡りますが五月には、LGBTやHIV/エイズの活動に取り組んできた様々な団体・個人が新型コロナに関して政府等への要請を行いました。順に振り返ってみます。

5月14日

「一般社団法人Marriage For All Japan─結婚の自由をすべての人に」が内閣総理大臣等宛に、「救急搬送、PCR検査の実施や結果の告知、入院や治療方針の説明・同意・決定などの場において、同性パートナーを法律上の夫婦と同じように家族として扱うこと」「政府や地方自治体が行う援助や助成制度において、同性カップルの家族が性的指向や性自認を理由に、不利益を受けることがないようにすること」「新型コロナウイルス対策として、感染者や感染ルートの調査・情報の公表などをする際には、プライバシーの侵害や差別・偏見を助長しないよう配慮すること」等の要請を行いました。

5月15日

「エイズ対策に携わってきた市民団体、HIV陽性者、研究者有志グループ」が、厚生労働省宛に「新型コロナウイルス感染症に対する要望書」を提出しました(MASH大阪の塩野代表も連名)。「本感染症の感染者、患者、家族及び、その医療を担う医療者に対して、理不尽な偏見や差別が見られています」として、次の五つの要望事項を挙げています。

  • ❶HIV/エイズの予防対策や治療への影響の現状把握と改善に向けた取り組みを行うこと
  • ❷新型コロナウイルス感染症の流行が長期化する場合への対策を準備すること
  • 新型コロナウイルスに感染した人及びその周囲の人々の人権を守り、差別・偏見をなくすべく手段をつくすこと
  • クラスター対策等での個人情報の収集については、市民との合意形成を重視し、常態化を避けること
  • ❺社会において脆弱性をもつ人々の背景に配慮し、当事者参加型による啓発・支援の対策を構築すること
5月21日

複数のLGBT活動家等の連名で、「新型コロナウイルス感染症に関する報道とITの利用に関する緊急要望書」が、内閣府とインターネットメディア協会宛に提出されました。

「韓国において、新型コロナウイルスの検査で陽性と判定された方が、ゲイクラブ(ゲイバー)を訪問していたという報道を契機として、SNSを中心に、同性愛者に対するバッシングが過熱している」という状況も紹介して、「断片的な情報が不必要に表面化することで、当人が実際に性的指向におけるマイノリティであるかどうかにかかわらず、性的指向に関するいじめや嫌がらせを誘発することも懸念されます」などとして、報道関係と政府に対して要請を行っています。

いずれも個人のプライバシー等の人権侵害の可能性を懸念しています。今後も、「ウィズ・コロナ」の生活が長期化する中で、こういった問題が起きるおそれはないのか、注視してきたいと思います。

「そらにじひめじ」が新規オープン!

本誌28号でも取り上げたコミュニティスペース「そらにじひめじ」。LGBTのほか、生活に困っていたり心の病を抱えたりしている人、「ひきこもり」に悩んでいる人などいろんな人達が、自由に集まり交流できる場所として活動してきました。

新型コロナで暫くお休みを余儀なくされましたが、八月、感染対策の観点からもより広い場所を求めて、二軒隣にお引っ越しして新規オープンしました。

聞けば、元美容室とのことで、奥にはキッチン、シャワーも。二階も広く、ちょっとした講演会とかイベントも出来そう。二匹目の保護猫も登場。一匹目が「はる」なので、二匹目の名前は「なっちゃん」だそうです(笑)。

地域のいろんな人が集まれる拠点として頑張ってほしい、と切に思いました。

「そらにじひめじ」が新規オープン!

過去の南界堂通信

2023年度
2022年度
2021年度
2020年度
2019年度
2018年度
2017年度
2016年度
2015年度
2014年度
2013年度
2012年度

過去のいくナビ

2022年度
2021年度
2020年度
2019年度
2018年度
2017年度
2016年度
2015年度
PAGE TOP