男朋友
新世界の老舗ラブホが熱い?!
通天閣のすぐ近くで老舗ラブホ『タワーサイドホテル』を経営する徳原勝敦さんに突撃インタビュー!
MASH大阪(以下M):(初めてラブホに入った風で)まあ、なんてファンシーなお部屋だこと!ラブホっていうと昭和な内装をイメージしますけれど、ここはひと味違いますね。どの部屋もこんなカンジなんですか?
徳原:いえ、部屋はひとつひとつ違うんです。ノンケの顧客さんはラブホに非日常を求めるので、トレンドを意識しつつ、私がデザインのコンセプトを考えてます。
M:なるほど。今回お伺いしたのは、『いくナビ』に広告を出されたので、一度お話を伺いたいと思ったわけなんですが、そもそもなぜ『いくナビ』に広告を出そうと?
徳原:私が父親からこのホテルの経営を引き継いで20年になるんですが、お客様の半分はゲイの方だったんですね。ノンケのカップルさん五割、ゲイカップル五割のバランスは今後も保っていきたいと考えていたのですが、最近入ってきた若い社員がSNSや地域のメディアに詳しくて、デザインもできるので、それで『いくナビ』のことを知って、広告を出してみようと。
M:なるほど。もともと顧客の半分はゲイカップルだったんですね。ゲイカップルとノンケカップルってなにか違いはありますか?
徳原:私どもにとっては、ゲイカップルの方というのは上客なんです。お支払いの際にトラブることが度々あるんですが、ゲイカップルの場合、それがない。あとクレームもない。クスリ関連のトラブルもない。昔の話になりますが、女装の方がお客さんと一緒によく利用されていたのですが、あるとき、女装の方が支払う段階になって「お金がないっ!」ってことになった。すると女装の方たちの元締めみたいな方が飛んできて、「スミマセ〜ン、若い者が粗相しまして」と言いながら払っていかれたことがありました。「女装の人たちのコミュニティみたいなものがあるんだなぁ」とそのとき思いましたね。最近は女装の方の利用が減り気味なので、フツーのゲイカップルの方たちにもっと利用していただかなければ、と思っています。
M:このホテル独特のサービスって、なにかありますか?
徳原:そうですね、ひとつは、ベッドサイドにコンドームとローションを置いているのはラブホとしてはあたりまえですが、風呂場にローションを置いているのは珍しいのではないでしょうか?
M:お風呂場でローションっていうと……
徳原:マットプレイ用なんです。
M:あ、なるほど……
徳原:もうひとつ珍しいのは、食事を無料で提供していることかな?
M:えっ、無料で?
徳原:そうなんです、新世界は意外に夜が早いので、ガッツリ系のメニューからスイーツまで幅広くご用意しています。
M:そういえば、新世界のゲイバーでもしっかり食事を出すところが多い印象があって、新世界の文化なのかもしれませんね。でも堂山のラブホでも、無料じゃないけど食事を出すところはあるから、これは大阪の文化というべき?
徳原:そうだと思います。ほかの土地では聞かないですね。
M:徳原さんにとって、新世界というのはどんな街なんでしょうか?
徳原:住んでいる人とサービス業・観光業で働いている人が共存している、すごくミックスされた町、という印象ですね。ラブホは基本、お客さんと従業員はなるべく顔を合わせないようにするものですが、ここはそうでもないし、常連のお客さんからラブホの従業員に声をかけてくるなんてことが起きるのはこの街くらいだと思います。そんなところは大事にしていきたいと思っています。
M:貴重なお話、どうもありがとうございました。
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