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南界堂通信〈夏号|第23号〉

薬食男源

「梅雨には食中毒に注意」

ゴールデンウィークも終わり、いよいよ夏が近づいてきました。夏といえば海水浴やプール。食事でいえばアイスクリームや素麺などがおいしい季節、楽しみな事も多いですね。そんな夏に注意してもらいたいのが食中毒です。食中毒は多く発生する時期が2回あり、ノロウイルスが猛威を振るう冬、そして食中毒菌の増殖が活発になる梅雨から夏にかけて注意が必要です。通常、食中毒菌は高温多湿を好むため、梅雨から夏の時期には食中毒菌の増殖が活発となり食品の“足”が最も早くなります。ではどのように予防対策をとればよいのでしょうか。

食中毒予防には重要な3原則があります。食中毒菌を“つけない”、“増やさない”、“やっつける”です。食中毒菌を“つけない”ためには食品を触る前に手洗いを行う、生肉を切った調理器具を他の調理器具や生食用の食品につけないことで予防しましょう。食中毒菌を“増やさない”ためには、調理後すぐに冷蔵庫で冷やしましょう。ただし、調理後に湯気が出ている場合には冷凍した際に霜ができやすいので、あらかじめ湯気が出ない程度に冷ましてから冷凍庫に入れましょう。そして食中毒菌を“やっつける”では加熱調理をする、または調理器具をアルコール消毒や熱湯消毒して菌そのものを殺菌しましょう。ただし、加熱や低温保存していても殺菌されないもしくは増殖する菌もありますので調理後はできるだけ早めに食べましょう。

ちなみに、漬物などが長持ちするのはなぜでしょう。その答えは、通常、食中毒菌が増えるためには一定量の水分を必要とする菌が多いのですが、漬物に塩を入れることで漬物の水分を塩分が利用するために菌は増殖するための水分(自由水)を確保できず増殖しにくくなるのです。砂糖にも同様の効果があり、ジャムが長持ちするのもそのためです。

以上のことより、水分が食中毒菌の増殖に影響を与えることがおわかりいただけたことかと思います。大阪市水道局によると、水道水は冷暗所であっても3日間しか保存できない事になっていることから、調理後の食品は冷蔵庫での保存は3日以内にしたほうがよいでしょう。冷凍庫での保存も冷蔵庫に入れるまでの過程によって保存できる期間は左右されるのでいつまで保存できるかについては一概にはいえないのが実情です。

食中毒は一度かかってしまうと、薬では治療できません。下痢や嘔吐により食中毒菌を体の外に出すことが一番の治療となるため、つらい症状は数日間続いてしまいます。つらい食中毒にならないよう、この季節では食材を扱う際は注意して楽しく夏を過ごしましょう。

法円坂薬局/迫田直樹(管理薬剤師)・木村優奈(管理栄養士)

国立大阪医療センターの西門前に並ぶ院外薬局の中では、一番古い歴史を持つ法円坂薬局。ジェネリック医薬品を含め、取り扱っている薬品数も一番を誇り、選択肢もたくさんあるので、来局者に寄り添いながら薬選びの相談に乗ってくれます。
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TEL.06-6943-7066

法円坂薬局/迫田直樹(管理薬剤師)・木村優奈(管理栄養士)

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