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南界堂通信〈夏号|第23号〉

男朋友

新世界日劇ローズ劇場に突撃取材!

今はなき東梅田ローズ劇場が新世界で蘇る!

堂山町の入口にあった、全国でも珍しいゲイポルノ映画館の東梅田ローズ劇場が閉館したのが2011年。
しかしその翌年には、東梅田ローズ劇場の志を受け継ぎ、名前も一部受け継いで新世界の通天閣すぐ近くに日劇ローズがオープンしました。
同じ建物内に、近畿でも数少ないフィルム上映館の新世界東映、ピンク映画館の日劇シネマ、そしてゲイポルノ映画館の日劇ローズという三つの映画館が入っています。これらの映画館を経営する松下商会のお二人、社長の大林さんと総務部長の立木さんにお話しをうかがいました。

MASH大阪(以下M):ゲイポルノ映画館をオープンしたのはどのようなキッカケから?

松下商会:東梅田ローズ劇場を経営していた方と当社の会長とが親しく、ある時その方から「新世界のおたくの館でゲイポルノ専門の映画館をやってみない?」と提案があったんです。それで、丁度うちには映画館を閉めてカラオケサロンやビデオ試写室に転用していたスペースがあったので、そこを改造して新たなビジネスを始めることになったわけです。

M:不安はありませんでしたか?

松下商会社長の大林さんと総務部長の立木さん

松下商会:新世界にはゲイバーがたくさんあると聞いていたので、ある程度ニーズはあるのかなと考えていました。でも、さすがにオープンの日はどれだけのお客さんが来てくれるのか不安でしたね。あれは、忘れもしない2012年8月1日。雑誌『バディ』に取り上げていただいたり、東梅田ローズの贔屓客もいらしてくれて、百人くらいの来場者がありびっくりしました。

M:それで、ビジネスとして成り立つことを確信された?

松下商会:そのとおりです。席数は26。朝10時から翌朝5時まで、1,500円で利用できます。以前はカラオケルームとして営業していたスペースですから、舞台やミラーボールもあっておもしろい空間ですよ。あと、追加料金を払えば利用できる個室もありますし、ロビーには自由にご利用頂ける喫煙室や談話スペースもあります。

新世界日劇ローズ劇場

M:そうなんですか。お客さんのニーズは常に意識しているという感じですか?

松下商会:映画館の経営が厳しい時代ですし、ニッチなニーズにはどんどん応えていかなければいけないと思ってます。たとえば、他の二館の来場者の視線から守るため日劇ローズの入り口をカーテンで閉めているのもそうです。

M:日劇ローズができて何かトラブルはありましたか?

松下商会:最初はトラブルだらけでしたよ(笑)。たとえば入り口のカーテンから素っ裸で出ていらしたお客様がいて、あの時はさすがに度肝を抜かれて慌てて注意しました。あと、お客様のニーズに応えるという意味では、女装さんの日劇ローズへの入場はお断りしています。一度入場されたことがあるのですが、あとで苦情が殺到したんですね。どういうわけか、女性的な身なりの人が入ってくるのを嫌がる方たちが多い。ただし、私らは女装さんを拒否しているというわけではなく、「日劇シネマの方をどうぞご利用ください」と申し上げていて、むしろ歓迎しているんです。実はこの部屋(インタビューをさせていただいた日劇シネマの談話室)も女装さんたちからの要望でしつらえたものですし、当館のもぎり(チケットの半券をもぎるスタッフ)の中にも女装さんがいて、一緒に働いてくれています。

M:なるほど、どちらも人情味豊かで大らかな新世界らしいエピソードですね。興味深いお話、どうもありがとうございました。

新世界

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