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南界堂通信〈夏号|第27号〉

南界堂茶会

第10回 南界堂茶会

回を重ねて第10回となりました南界堂茶会。
これまでの茶会を一気に振り返る「南界堂EXPO」の展示がされている中、老いる愉しみ、上手に歳を重ねるをテーマに、ゲストに臨床心理士の古谷野淳子さんを迎えて開催されました。

加齢は不安だらけ?

古来、容色の衰えや、孤独の寂しさが書かれた詩や随筆が見られるように、加齢の不安は永遠のテーマでしょうか。体力、集中力の低下。新しい友達を求めないといった人間関係の変化。仕事の役職から離れるなど。また、若いゲイ男性にとって加齢は不安だらけでは。若さを保とうとしている方も多いようで、古谷野さんが出会ってきた中では、年齢を聞いてびっくりしたことがしばしばあったそうです。時々「長生きなんてしたくないし…」と聞かれたことも。

とは言え、歳を重ねていくと周りの方も年を取りますし、年を取った方と付き合うと中にはいい年の取り方をしていると感じる方もいるのではないでしょうか。また、盆栽を見て良さが分かってきたとか、ふきのとうの天ぷらを食べておいしいと感じるようになったとか。こういった変化を楽しみたいですね。

ここで、古谷野さんから年を取って失っていくことに対してどう対処していくかという理論の一つである、補償を伴う選択的最適化が紹介されました。限りある時間やパワーを投入する領域を選び(選択)、そこに集中的に資源を投入して、パフォーマンスを維持・向上させる(最適化)こと。その際、他者からのサポートや自らの工夫などの代替的な方策を駆使して、能力の低下を補う(補償)。ということです。昨年の紅白歌合戦での松田聖子さんを例にした説明では「無駄な抵抗をしないで、今できるパフォーマンスの質を高くする工夫をする」ことが分かりました。

続いて、先人の言葉を引いて高齢期の意義が紹介されました。高齢期は「自分らしく生きる(自分の全体性を生きる)ための時間」。その人らしさの本質のようなものを、すみずみまで活かした生き方ができる時。そう聞くと、加齢をポジティブに捉えることができそうです。

性欲とどう付き合うか

参加者に加齢による変化をたずねたところ、性欲の話がいくつか聞かれました。タイプが変わった。パートナーの幅が広くなったなど。ゲイのおじいちゃん達と居酒屋に行くと最後はセックスの話になってしまう、70ぐらいになったら性欲が減るのかと思っていたら全然減っていないようだという声。また年配の方からは70になって回数は減るけれども性欲は衰えない。愛欲があるから働く意欲がわくという方もいらっしゃいました。加齢によるのか射精しにくくなると、若い子相手だと説明がいることもあって同年代の方が気楽という方も。加齢と折り合いをつけて性欲と付き合っているように感じました。

今回の茶会で色々なヒントを得たように思います。変化を楽しんで過ごしていきたいと思います。(泰平)

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