海外男街通信
Gay and Lesbian Mardi Gras Parade
シドニー ゲイ & レズビアン マルディグラ パレード
「マルディグラ」っていう言葉を聞いたことはありますか?オーストラリアのシドニーで開催されているLGBTQのイベントです。時期は二月の中旬から三月の初旬まで行われている大々的な行事です。期間中街中でアート、パーティー、ショーを中心に様々なイベントが行われます。その中で一番大きなイベントがシドニーのゲイタウンであるオクスフォード・ストリートで行われるパレードです。今回はSydney GayandLesbian Mardi Gras パレードの内容と共に私が感じた事を紹介します。
パレードがかなり大規模であることはシドニーに住む知人に聞いていたので、午後三時にオクスフォード・ストリートに向かいました。着いた時にはどこのゲイバーも満席で周囲はお祭り状態でした。夕方にはさらに集まり、歩道は人で満杯でした。現地の人はもちろんですが、中には台湾、インドネシア、シンガポールなどの外国人も見かけました。そして夜になり、ハーレーに乗ったグループが出てきてパレードの開幕。そこから約二五〇団体のフロートが出てきました。民族衣装で現れたものもあれば、セクシーな衣装でダンスしてきたフロートも。個人的に驚いたのが、警察や海軍など政府の団体もフロートに参加している事でした。
この行事を通してシドニーのLGBTQコミュニティの団結力に驚きました。パレードでのパフォーマンスももちろんですが、パレードのために集まった一人一人が心の底から応援しているように思いました。パレード中、私自身に興味を持ってくれた現地の人達と仲を深めることができました。何よりもこのパレードを通して自身のアイデンティティが社会に受け入れられていると感じる事ができました。LGBTQ当事者以外にもストレートのカップルやアライをパレードの最中に見かけました。それを見てLGBTQ以外の人もLGBTQの人権に関心を持つ人が多いと感じました。
日本でもダイバーシティを宣言し、企業や地域が様々な取り組みを行っていると思います。しかしオーストラリアや他の先進国と比べると日本はまだマイノリティに対して無関心、またはゲイに対しての固定概念が未だに強いように思われます。テクノロジーが発達し、多くの情報にアクセスが簡単な十代二十代でも周囲の目線が気になりカミングアウトできない人が少なくないと思います。海外ほど強い差別がなくともLGBTQ以外でもマイノリティというだけで日本人はどこか無関心であると感じます。シドニーのマルディグラのようなイベントを日本でするとなると、 Gay and Lesbian Mardi Gras Parade時間と他のコミュニティを巻き込む必要があると思います。
マルディグラ以外にもビーチ、街、自然が多くあります。新しい自分探しにシドニーのマルディグラに参加してみるのはいかがでしょうか?
文◉とっくん
23歳、関西の大学卒業。大学では「マッチングアプリとゲイコミュニティ」について研究。学生時代アメリカ留学を経験し、多様性について学ぶ。趣味はNetflixで「ルポールのドラァグレース」を見ながら筋トレすることです。
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